左官工事

1.左官について

 左官とは、職人が建物の壁や床などに、壁材を主に鏝(こて)という道具を使用して、壁に塗りつけ仕上げる技能性の高い職種です。壁材は主にセメント、土、石膏などに骨材(砂利や砂)を混ぜ水で練ったものを使用します。職人の腕次第で建物の価値を左右するぐらいの大きな役割を担っています。
 株式会社キタムラは、高い技能の職人仕事のほかに、マンションやオフィスビル、自動車工場など大きな建物において床均し機械、仕上げ機械を駆使した床コンクリート工事、タイルや塗装の下地のモルタル工事、階段モルタル工事、コンクリート欠けやジャンカ(コンクリートの打設不良の事例1つ)の補修など、建物の細部にわたる工事を施工しています。

 

「左官」という職名の由来

 建築関係の職種のなかで、 大工、 建具屋、タイル工、ペンキ屋などは名前を聞いただけでどのような仕事か分かります。 ですが、「左官」は名前から仕事内容が分かりません。なぜかというと、「 左官」という名前の由来に関係しています。由来にも諸説ありますが、一番有力な説として、階級からとったという説があります。平安時代、宮殿の建築に携わる組織「木工寮」 の階級で、1「守(かみ)」2「介(すけ)」、3「掾(じょう)」、4「属(そうかん)」という序列があり、1は大工、2は桧皮葺き大工、3は金物大工、4は壁塗り職人のことでした。 壁塗り職人の「属(そうかん) 」に「さかん」 という音を当て、後に当て字で「さかん=左官」になったというものです。

 

「左官」の古名

 左官の古名としては、「可部利(かべぬり)」「土工(つちのたくみ)」「壁塗」などがありました。「左官」という字が古文書に残されたのは江戸時代の初期といわていますが、当時は「左官」と「壁塗」が混用されており、元禄時代に「左官」と定着したようです。

2.床コンクリート(土間)

 平坦に打設されるコンクリート床のことです。表面は職人の手で鏝(こて)を使って凹凸の無い平らに仕上げた「金鏝仕上げ」、滑り止め防止に刷毛(はけ)を使ってザラっとした状態に仕上げる「刷毛引き仕上げ」、また目地を入れるなどのさまざまな仕上げ方法があります。
 現在大きな建物の金鏝仕上げは職人の手作業ではなく、回転式金鏝機械(トロウェル)を使用しています。床の不陸調整から仕上げまで少人数での大施工が可能になり、大型ショッピングセンターや物流倉庫など、幅広い分野の建物を施工しています。従来より床の精度が求められている中で、当社の施工精度の高さは、多くのお客様から信頼を得ています。

3.打放し素地補修

 外観をコンクリートを見せる形で仕上げたもので、そのままの状態の仕上げが「打放しコンクリート素地仕上げ」となります。コンクリートの上に塗装・タイル・石張りなどの仕上げ工程を省き、型枠を外した直後のむき出しのままの状態のコンクリートをもって仕上げとする方法です。
 コンクリートの表面は、さまざまな要素をバランス良くすることで綺麗な表面に仕上がります。バランスが悪く仕上げが適切に行われなかったコンクリート表面や、コンクリート表面のひび割れ部分から入った雨水などで本来アルカリ性であるコンクリートが中性化(エフロレッセンス[白華現象])してしまうことによる劣化など、それらを職人の高い技能で補修をおこないます。

4.モルタル吹付け工法

 構造物に対してモルタル吹付機に繊維質が入った特殊モルタルを投入して撹拌し、コンプレッサによる圧縮空気で吹き付ける手法です。橋脚、トンネルなどコンクリート構造物の劣化、剥落の補修をおこないます。
 現在全国には何万本もの橋など、同時期に造られらた多くのコンクリート構造物が存在しています。それらコンクリートの寿命を考えると、近い将来これらの補修をしなければならず、今まで以上に左官の高い補修技能が必要とされます。

5.真空コンクリート

 真空コンクリート工法(真空脱水工法)とは、特殊な真空マットなどで覆って、コンクリート内にある余剰水(余分な水)と巻き込みエア(生コンに含まれる空気)を取り除く工法です。コンクリート表面近くの水を除去して水セメント比を引き下げるとともに、コンクリート面に圧力をかけて締め固めます。圧縮強度の増加、耐摩耗性、凍害対策、クラック低減、耐久性向上などさまざまなメリットがあります。

6.塗り床

 塗り床とは、床面に塗床材を塗布し、下地コンクリートの保護や耐久性や美装性を上げる役割を果たす床材です。その場に最適な耐荷重、耐摩耗、耐衝撃、導電(帯電防止)、耐熱、耐水、耐薬品、耐候、防塵、美観などの「機能を備えた床面」を作り上げます。
 種類は主成分の種類により、無機系と有機系大別されます。それぞれが特性の違いにより用途も変わってきます。
無機系塗床の用途は、主に重量車両などが行き来する場所、不燃性が求められる場所、強い衝撃がかかる場所です(物流倉庫 / 自動車生産工場 / 駐車場 / 溶接場など) 。
有機系塗床の用途は、薬品に強く、ホコリを嫌い、繋ぎ目がなく清掃性を求められる場所です(クリーンルーム / 精密機械工場 / 食品工場など) 。